こんにちは。浅井歯科上桂です。
今回は、抜歯のお話です。
抜歯する際に、もっとも不安になることは「抜いた後、痛くならないか」ということではないでしょうか。
通常、抜歯後2,3日をピークに痛みは徐々に治まってきます。
しかし、なかには眠れないほどの激痛に悩まされることがあります。
その主な原因の1つとして【ドライソケット】が挙げられます。
本来、抜歯した後の穴には【血餅】と呼ばれる血の塊が出来て、傷口を保護してくれますが、それがはがれて骨が露出してしまうことがあります。これがドライソケットです。
ドライソケットは全体の5%ほどの確率で起こり、特に下の親不知に起こりやすいといわれています。
ドライソケットは老若男女問わず起こる可能性があり、その時の体調や、生活習慣にも関係しています。
しかし実は、男性よりも女性の方がドライソケットになりやすいのです。
それは女性特有の「生理」に関係しています。
女性は生理周期によって、排卵前にエストロゲン、排卵後にプロゲステロンという2つのホルモンが分泌されます。
生理中は、このホルモンが2つとも低下し、抵抗力が大きく落ち込みます。
そのため、この時期に傷があると傷の治りが悪く、細菌に感染しやすいのです。
また、経口避妊薬(ピル)を服用している女性は特に要注意です。
ピルには血液凝固を促進するものと、一度凝固した血液の溶解を促進するものがあります。
この「一度凝固した血液」が文頭で紹介した「血餅」にあたります。
抜歯後の穴を保護する血餅が、ピルの作用によって溶かされ、ドライソケットにな
りやすいのです。
そのため、女性は生理周期を考慮したり、ピルを服用している人は一度服用を中断して抜歯するなど、ドライソケットを予防するための抜歯計画をおすすめします。